この記事の要点

  • 一覧ページとは、サービス一覧・制作実績一覧・コラム一覧のように、複数の個別ページへの入口を同じ形式でまとめたページです。生成AIから見ると、その会社が何を扱っているかを最短で把握できる目次にあたります。
  • 一覧ページが伝わらない原因は情報量の不足ではなく、リンクの文言が「詳しく見る」だけになっていたり、項目名の横に一行の説明がないことにあります。
  • Google検索セントラルは、一覧を表す構造化データであるItemListについて、項目を2つ以上入れること、すべて同じ種類でそろえること、各項目に順序とURLを指定することを要件として示しています。
  • ただしGoogleがカルーセル表示の対象としているのは、コース・映画・レシピ・レストランの一覧に限られます。サービス一覧や制作実績一覧に一覧の構造化データを書いても、検索結果の見え方が変わるわけではありません。
  • サイトモは、制作実績一覧とプレスリリース一覧について、掲載内容が実データに置き換わるまで一覧の構造化データの出力を止めています。中身が仮のうちは書かない、という判断です。

一覧ページとは、サイトのどのページを指すのか

一覧ページとは、複数の個別ページへのリンクを同じ形式で並べ、そこから選んでもらうためのページです。サービス一覧、料金プラン一覧、制作実績一覧、コラム一覧、よくある質問一覧、対応業種一覧、スタッフ紹介。名前は違っても役割は同じで、中小企業のサイトなら必ず何枚か持っています。

人が一覧ページを見るとき、目的は選ぶことです。写真とタイトルを眺めて、気になったものを開く。文字が少なくても、写真とレイアウトで判断できます。

機械から見た役割はこれとは違います。一覧ページは、サイトの中でどんなページが何のためにぶら下がっているかを、まとめて示している場所です。個別ページを1枚ずつ読んで関係を推測するより、一覧ページを1枚読むほうが早い。会社案内の目次に近い扱いを受けます。

そして一覧ページは、公開したあとに誰も見直さないページになりやすい。個別ページの本文には時間をかけるのに、一覧ページは項目が増えるだけで、書かれている言葉は制作時のままというサイトが少なくありません。構造化データ(ページの内容を機械が読み取れる形で書き添えるデータ)の共通語彙であるschema.orgには、項目の集まりを表すItemListという型が用意されています。一覧ページを機械に説明する手段は標準として存在していて、使われていないだけ、という状態です。

一覧ページがAIに伝わりにくくなる原因

伝わりにくさの原因は、だいたい3つに絞れます。共通しているのは、画面上は何も問題なく見えることです。

1つ目は、リンクの文言です。「詳しく見る」「もっと見る」「READ MORE」が20個並んでいる一覧ページは珍しくありません。人はカードの写真とタイトルとボタンをひとかたまりで見るので困りませんが、リンクの文言だけを取り出したときに行き先が分かるかというと、何も分かりません。リンクの文字は、そのリンク先が何のページかを示す手がかりのひとつです。全部同じ言葉にしてしまうと、その手がかりを自分で消していることになります。

2つ目は、各項目に説明がないことです。サービス名や事例のタイトルだけが縦に並び、それが何なのかはクリックしないと分からない。人は業種の写真から中身を想像できますが、写真の中身は文字ではありません。項目名のあとに一行あれば足りる場面で、その一行がない一覧ページはかなり多いです。

3つ目は、一覧の中身が操作しないと出てこないことです。業種で絞り込むタブ、無限に続く読み込み、「もっと見る」ボタンの奥。こうした仕組みの向こう側にある項目は、最初に読み込まれるHTMLに含まれていない場合があります。この場合、一覧ページに30件載せているつもりでも、機械が受け取っているのは最初の6件だけということが起こります。自分のサイトがどちらなのかは、ブラウザでページのソースを表示して、一覧の項目名で検索すれば確かめられます。

一覧ページに書き足す情報

やることは、写真とタイトルの間に文字を戻すだけです。新しくページを作る必要はありません。項目ごとに、書き方の基準とつまずきやすい点を整理します。

項目 書き方の基準 よくある状態
一覧の見出し 何の一覧かが分かる言葉にする(例:士業向けホームページ制作の事例一覧) 「実績」「WORKS」だけで対象が分からない
一覧全体の説明 見出しの下に2〜3文。誰向けの、どんな基準で集めた一覧かを書く 説明がなく、いきなりカードが並ぶ
各項目の名前 個別ページの見出しと同じ表記にする 一覧では略称、個別ページでは正式名称になっている
各項目の一行説明 1文で、その項目が何を扱うかを書く タイトルのみ、または本文の冒頭を機械的に切り取っている
リンクの文言 行き先の内容を含める(例:料金プランを見る) すべて「詳しく見る」でそろっている
並び順 新着順・おすすめ順など、どの順で並べているかを1文で書く 順序の理由がどこにも書かれていない
上位への戻り導線 パンくずを画面上に置き、どの階層のページかを示す 一覧ページに戻る手段がヘッダーしかない

この中で効果が分かりやすいのは、各項目の一行説明とリンクの文言です。制作実績一覧なら「業種・課題・やったこと」を1文にまとめておくと、一覧ページだけで事例の中身が読み取れる状態になります。士業や建設業のサイトでは、ここに対応エリアや工事の種別を入れると、絞り込みタブに頼らなくても内容が伝わります。

一覧を表す構造化データの書き方

先に順番の話をします。本文の言葉を直すのが先で、構造化データは後です。画面に書いていないことを構造化データにだけ書くやり方は、Google検索セントラルの構造化データに関するガイドラインが避けるよう求めている状態にあたります。

一覧を表す型がItemListです。Google検索セントラルのカルーセル(ItemList)の構造化データに関するドキュメントでは、項目を並べるitemListElementに2つ以上の項目が必要で、すべての項目が同じ種類でそろっていること、各項目に順序を示すpositionとリンク先のurlを指定することが要件として示されています。書き方には、短い説明とリンクだけを置いて個別ページへ送る形と、すべての情報を1ページに書いてページ内の位置を指す形の2通りが説明されています。中小企業のサービス一覧や実績一覧は、ほとんどが前者にあたります。

{
  "@context": "https://schema.org",
  "@type": "ItemList",
  "name": "サービス一覧",
  "numberOfItems": 3,
  "itemListElement": [
    {
      "@type": "ListItem",
      "position": 1,
      "name": "ホームページ制作",
      "url": "https://example.com/service/production/"
    },
    {
      "@type": "ListItem",
      "position": 2,
      "name": "サイト運用・更新代行",
      "url": "https://example.com/service/operation/"
    },
    {
      "@type": "ListItem",
      "position": 3,
      "name": "AI検索対策",
      "url": "https://example.com/service/aio/"
    }
  ]
}

もうひとつ、一覧ページと相性がよいのがパンくずの構造化データです。BreadcrumbListという型で、そのページがサイトのどの階層にあるかを示します。Google検索セントラルのパンくずリストのドキュメントでは、項目が2つ以上必要で、各項目に表示名のnameと順序のposition、リンク先のitemを指定することが示されています。一覧の最後の項目、つまり今開いているページ自身についてはitemの指定が必須ではなく、ドメイン名やページそのものを項目として含める必要もないと説明されています。

{
  "@context": "https://schema.org",
  "@type": "BreadcrumbList",
  "itemListElement": [
    {
      "@type": "ListItem",
      "position": 1,
      "name": "ホーム",
      "item": "https://example.com/"
    },
    {
      "@type": "ListItem",
      "position": 2,
      "name": "サービス一覧"
    }
  ]
}

ここで正直に書いておきたいことがあります。一覧の構造化データを書いても、サービス一覧や制作実績一覧の見え方が検索結果で変わることはありません。Googleがカルーセルとしての表示対象にしているのは、コース・映画・レシピ・レストランの一覧に限られています。書く意味があるのは、見た目のためではなく、そのページが何の集まりで、どの項目がどの順で並んでいるのかを、推測なしで読み取れる形にしておくためです。

サイトモが一覧ページでやっていること

サイトモは自社サイトを実装の見本として運用しているため、一覧ページの扱いも公開されているページから確認できます。実際にやっているのは次の4点です。

  1. コラム一覧をはじめとする主要ページに、パンくずの構造化データを1ページにつき1つだけ出力しています。共通レイアウト側で出す場合とページ側で出す場合が重ならないように、どちらか一方しか動かない作りにしています。同じ内容が二重に出ると、どちらが正しい階層なのか読み取れなくなるためです。
  2. 制作実績一覧とプレスリリース一覧では、一覧の構造化データの出力を止めています。掲載しているカードがまだ実際の事例に置き換わっていないため、仮の内容を機械向けに宣言しない判断です。実データに差し替わった時点で出力を有効にする切り替えだけを用意してあります。
  3. パンくずは構造化データだけでなく、画面上にも表示しています。ホーム、制作実績・改善事例、という並びをそのまま見える形で置き、機械向けの記述と画面の表示が食い違わないようにしています。
  4. 生成AI向けの詳細版要約ファイルであるllms-full.txtにも、どのページがどの階層にあるかを書き出しています。一覧ページと個別ページの関係を、サイトの構造とは別の場所でもう一度、文章として説明している形です。

仮の内容に構造化データを付けない

構造化データは、書けば書くほど良いものではないとサイトモは考えています。実績が3件しかないのに一覧の構造化データで6件を宣言したり、差し替え予定のダミーの事例名を機械向けに書き出したりすると、画面の表示と機械向けの記述がずれます。項目を増やすより、書いた項目がページ上の表記と一致していることを優先しています。

一覧ページを整えると何が変わるか

変化の中身は地味です。ただ、作業量に対して効く範囲は広い。

  • 一覧ページ1枚を直すだけで、そこにぶら下がる個別ページ全部の説明が付きます。10件の事例に一行説明を足せば、10件分の情報が増えます。
  • リンクの文言が具体的になると、そのリンクをたどるかどうかの判断材料が増えます。人にとっても、押す前に行き先が分かるという素直な改善になります。
  • サービスや事例の全体像が1枚で読み取れるようになります。個別ページを何枚も読んで関係を推測する必要がなくなる、という意味です。
  • パンくずを画面と構造化データの両方に置くと、そのページがサイトのどの位置にあるかが明示されます。個別ページから入ってきた読者が、上の階層に戻れるようにもなります。

ただし、これらは引用されることや順位が上がることを保証するものではありません。生成AI各社は、どのページを参照先に選んでいるかの基準を公開していないためです。2026年8月時点で言えるのは、判断を迷わせる要素を減らせること、そして同じ作業が人の読みやすさにも効くこと、この2点にとどまります。

注意点とやってはいけないこと

一覧ページの手直しで、かえって状態が悪くなるやり方もあります。影響の大きい順に並べます。

  • 画面に出していない項目を構造化データに書く。Googleのガイドラインが避けるよう求めている状態です。ページ送りで2ページ目にある項目を1ページ目の一覧に含めて宣言する、というのも同じ問題を含みます。
  • 一行説明を埋めるために、本文の冒頭を機械的に切り取る。途中で切れた文が並ぶ一覧は、人にも機械にも読みづらくなります。1文でよいので、その項目のために書くほうが早いです。
  • 一行説明にキーワードを詰め込む。「AI検索対策 AIO LLMO 中小企業 ホームページ制作」のような羅列は、何のサービスなのかを説明していません。
  • 一覧の項目名と個別ページの見出しをずらす。一覧では略称、個別ページでは正式名称という状態は、同じものを指しているのか判断できません。
  • 件数を大きく見せる。「導入実績200社」と書いて一覧には3件しか並んでいない場合、その差は他の情報と突き合わせたときに矛盾として残ります。
  • 一覧ページを検索から除外したまま公開する。制作時の除外設定が残っている一覧ページは、実際に見つかります。

まとめ

一覧ページの整備は、新しい仕組みを入れる作業ではありません。写真とタイトルだけになった場所に、文字を戻す作業です。

手元で確認するなら、順番は3つです。第一に、自社のサービス一覧と実績一覧を開いて、項目名の横に説明が1文あるかを見る。第二に、リンクの文言をすべて読んで、行き先が分かる言葉になっているかを確かめる。第三に、ブラウザでページのソースを表示し、一覧の項目名が最初に読み込まれるHTMLに入っているかを検索する。

3つのどれかでつまずいたら、直す順番は一行説明とリンクの文言からです。構造化データの追加は、画面の言葉が整ってからで構いません。順番を逆にすると、画面に書いていないことを機械にだけ伝える状態を作ってしまいます。

よくある質問

一覧ページは検索から除外したほうがよいですか

説明が書かれている一覧ページなら、除外する必要はありません。除外を検討したくなるのは、項目名が並ぶだけで独自の説明がない一覧ページや、絞り込み条件の組み合わせで自動生成される似た内容のページが大量にある場合です。一覧の見出しと全体の説明、各項目の一行説明があるページは、それ自体が読む価値のある内容になっているため、残す判断でよいとサイトモは考えています。

ページ送りがある一覧では、全部の項目を構造化データに書きますか

そのページに実際に表示されている項目だけを書きます。1ページ目の構造化データに2ページ目以降の項目を含めると、画面の表示と一致しなくなります。schema.orgのItemListには、一覧全体の件数を示すnumberOfItemsという項目があり、一部だけを表示しているページで全体の件数を伝える用途で使えます。

パンくずと一覧の構造化データは、両方入れる必要がありますか

役割が違うので、両方あって構いません。パンくずはそのページがサイトのどの階層にあるかを示し、一覧の構造化データはそのページに何が並んでいるかを示します。ただしどちらも、同じ内容を1ページに二重で出さないことが前提です。WordPressではテーマやプラグインがパンくずの構造化データを自動で出している場合があるため、追加する前に二重になっていないかを確認してください。

一覧ページを整えると、AIの回答に自社が出てくるようになりますか

出てくるようになると保証できるものではありません。生成AI各社は参照先の選び方を公開しておらず、2026年8月時点で一覧ページの整備と引用の因果関係を示す公式情報はありません。言えるのは、リンクの文言や項目の説明が空のままだと、内容を読み取る手がかりが存在しないということです。手がかりを置いておくところまでが、サイト側でできる範囲だと考えています。

参考情報