この記事の要点
- 生成AIやAI検索は、ページ全体ではなく見出しで区切られたひとまとまりの文章を切り出して参照するため、見出しの立て方が参照されやすさに影響します。
- Googleはページの個々のセクションを評価するパッセージランキングシステムを公開しており、セクション単位で内容が完結しているかは実際に評価の対象になっています。
- Google検索セントラルは、理想的な見出しの数は存在せず、AI機能のために特別な最適化も不要だと明記しています。見出しの工夫は裏技ではなく、読みやすさの改善として行うものです。
- サイトモのコラムでは、見出しを読者が実際に使う言葉に寄せ、直下に結論を1〜3文置き、1つのセクションを300〜600文字程度で答えきる形にしています。
- 見出しのテキストに連番や記号を書き込むと、その部分だけが切り出されたときに意味が伝わりにくくなります。番号は表示側の仕組みで付けるほうが安全です。
AIに引用される見出しとは、どんな見出しですか
AIに引用されやすい見出しとは、見出しの文だけを読んでも何が書かれているか分かり、その直下に答えが置かれている見出しです。見出しを見ても何の話か判断できず、答えが数段落先にある記事は、必要な部分だけを切り出しにくくなります。
見出しとは、文章のまとまりごとにその内容を示す小さなタイトルのことです。ホームページではh2、h3というタグで階層を表します。h2が大きな区切り、h3はそのなかの細かい区切りにあたります。
もうひとつ、この記事で使う言葉を先に決めておきます。パッセージとは、ページのなかの一区切りの文章、つまり見出しとその下の本文でできたひとまとまりを指します。AI検索を考えるときは、評価される単位がページ全体ではなくこのパッセージだと考えると、やるべきことが具体的になります。
見出しは装飾ではありません。どこからどこまでが1つの話なのかを機械に伝える、数少ない手がかりです。
なぜ見出し単位で内容が切り出されるのですか
ページの一部分だけを評価する仕組みが、検索側に実際にあるからです。Googleは「Google検索ランキングシステムのご紹介」のなかで、パッセージランキングシステムを「ウェブページの個々のセクション(パッセージ)を特定して、ページが検索にどの程度関連しているかをよりよく理解するために使用するAIシステムです」と説明しています。ページ単位ではなくセクション単位で関連性を見る仕組みが公式に存在すると、明言されています。
生成AIが回答を作るときも、参照した記事を丸ごと使うわけではありません。質問に対応する部分を抜き出して要約します。抜き出す範囲を決めるときの区切り目が、見出しです。見出しが曖昧だと、まとまりの境目もぼやけます。
ただし、ChatGPTやGeminiなどの生成AIが内部で見出しをどのように扱っているかは、各社とも詳細を公開していません。2026年8月時点で確認できるのは、Google検索側の仕組みと、テキストとして書かれた情報のほうが機械に扱いやすいという一般的な性質までです。サイトモは、公開されていない仕組みを推測して対策するより、読者にとって読みやすい構造を整えるほうが確実だと考えています。
Googleは見出しについて何と言っていますか
見出しの数や順番に「正解の型」はない、というのがGoogleの説明です。制作会社やコンサルタントから聞く話と食い違うことがあるため、よくある思い込みと公式の説明を並べます。
| よくある思い込み | Google検索セントラルの説明 | サイトモの実務判断 |
|---|---|---|
| 見出しは多いほど評価される | 「ページごとに魔法の見出し数や理想的な見出し数といったものが存在することもありません」 | 数ではなく、区切り方が読者にとって自然かどうかで決める |
| h2からh3という順番を守らないと検索で不利になる | 「見出しを意味的な順番にすることは、スクリーンリーダーにとっては素晴らしいことですが、Google検索にとっては順番どおりに使われていなくても問題ありません」 | 検索のためではなく、読み上げソフトを使う読者のために順番は守る |
| AI検索向けに専用の書き方や専用ファイルが要る | 「AIによる概要やAIモードにコンテンツが表示されるための追加の要件はなく、別途特別な最適化を行う必要もありません」 | 見出しの改善はAI向けの裏技ではなく、読みやすさの改善として行う |
この3つを踏まえると、見出しでやるべきことはかなり絞られます。読者が探している内容をその見出しの言葉で言い当て、答えを直下に置く。それだけです。特殊な技術ではなく、書き方の基本に戻る作業になります。
見出しは質問の形にすべきですか
すべてを質問形にする必要はありません。目的は、読者がその内容を探すときに実際に使う言葉へ見出しを近づけることで、質問形はそのための手段のひとつです。
「料金体系」より「月額いくらかかりますか」のほうが、読者の頭のなかの言葉に近くなります。生成AIに質問を投げるとき、人は検索窓に入力するより長く、話し言葉に近い形で書きます。その言葉と見出しが近ければ、対応する部分は見つけやすくなる。サイトモはそう考えて、コラムの見出しを質問形と体言止めの混在にしています。
一方で、質問形にすれば引用されるという公式情報は、2026年8月時点で確認できていません。効果を保証するものとしては扱わないでください。狙った言葉を入れたい一心で見出しを不自然にするのも逆効果です。Googleはスパムに関するポリシーで、キーワードの乱用を「Google検索結果のランキングを操作する目的で、ウェブページにキーワードや数字を詰め込むこと」と定義し、「同じ単語や語句を不自然なほど繰り返すこと」を例に挙げています。
見出しは読者への案内です
質問形が有効に働くのは、それが読者の言葉だからです。読者が使わない言い回しを、AI向けだと思って並べても意味がありません。迷ったときは、その見出しを社内の誰かに口頭で言って通じるかどうかで判断してください。
サイトモのコラムでやっている見出しの設計
サイトモのコラムでは、記事本文の見出しに番号や記号を一切書かず、表示側の仕組みで補う形にしています。実際に行っているのは次の4点です。
- 本文中のh2から見出しごとの目印(id)を自動で付け、記事上部の目次を自動生成する。書き手は目次を書かない。
- h2の先頭に付く「01」「02」といった連番は、本文の文字ではなくCSSの機能で表示する。見出しのテキストそのものには番号を含めない。
- 各h2の直下に、その見出しへの答えを1〜3文で置く。理由、根拠、具体例はその後に書く。
- 1つのh2セクションは300〜600文字程度に収め、長くなる場合はh3で分けるか、扱う範囲を狭める。
番号を本文に書かない理由ははっきりしています。「03 料金の考え方」という見出しがそのまま切り出されたとき、「03」が何を指すのかは読み手に分かりません。番号は記事を通して読む人のための道しるべで、一部分だけを見る人には邪魔になります。表示側で付けておけば、どちらの読まれ方にも対応できます。
見出しの言葉づかいは、たとえば公開中のコラムで次のようにしています。
- AIクローラーとは何ですか
- 学習用とAI検索用は何が違いますか
- 自社は許可すべきか、拒否すべきか
- 設定したのに思ったとおりにならない場面
すべてが質問形ではありません。読者がつまずく場面をそのまま見出しにしたものも混ぜています。公開前には、見出しだけを上から読んで記事の筋が追えるかを必ず確認しています。
やりがちな見出しの失敗と直し方
いちばん多い失敗は、見出しの直下に答えがないことです。ほかにもよく見かけるものを、直し方と一緒に整理します。
| よくある形 | 何が起きるか | 直し方 |
|---|---|---|
| 「概要」「ポイント」「詳細」といった見出し | 見出しだけでは何の話か分からず、切り出されても意味が通らない | 扱う対象を見出しに入れる(「概要」→「料金プランはどう決まりますか」) |
| 見出しの直後に前置きが続き、答えが数段落先にある | 見出しに対応する答えが、そのまとまりの外に出てしまう | 答えを先に1〜3文で書き、理由と具体例を後ろへ回す |
| 1つの見出しの下に2,000文字以上が続く | どこが答えなのか特定しにくく、一部分として扱いにくい | h3で分けるか、別のh2に切り出す |
| 見出し直下の文が「これは」「その方法は」で始まる | 前の文が失われると意味が通らなくなる | 主語と対象を書き直す(「この方法は」→「robots.txtでの指定は」) |
| 同じ語を何度も入れた見出し | 読みにくく、キーワードの乱用と受け取られる可能性がある | 1つの見出しに主題を1つだけ入れる |
直すときは、その見出しと直下の3文だけを別に書き出して、それだけで意味が通るかを見てください。そこで通らなければ、切り出されたときにも通りません。
既存記事の見出しを見直す手順
ゼロから書き直す必要はありません。公開済みの記事は、次の順で手を入れると効率よく改善できます。
- 記事の見出しだけを上から書き出す。その一覧だけで記事の内容が伝わるかを確認する。
- 伝わらない見出しを、扱う対象と結論が分かる言葉に書き換える。
- 各見出しの直下の1〜3文が、その見出しへの答えになっているかを確認する。なっていなければ、答えの文を先頭へ移す。
- 極端に長いセクションを見つけ、h3で分けるか別の見出しに切り出す。
- 見出しのテキストに番号や記号を直接書いていないかを確認し、書いていれば外す。
本文をまるごと書き直す作業ではないため、1本あたりの負担は大きくありません。制作会社に依頼している場合は、この5点をそのまま伝えれば通じます。「AIO対策をお願いします」と依頼するより、話が具体的に進みます。
まとめ
見出しの改善は、AI検索向けの特別な施策ではありません。Googleの公開情報を踏まえると、見出しの数や順番に正解の型はなく、AI機能のために専用の書き方が必要になるわけでもありません。それでも見出しが重要なのは、ページの一部分が評価・参照される仕組みが実際にあり、その区切りを決めているのが見出しだからです。
まず、公開済みの記事の見出しだけを書き出してみてください。それだけで内容が伝わらない記事は、読者にも生成AIにも伝わっていない可能性があります。書き換えるのは見出しの言葉と、直下の1〜3文で足ります。
あわせて、見出しのテキストに番号を直接書き込んでいないか、1つのセクションが長くなりすぎていないかも確認してください。サイトモは、この2点が中小企業のサイトでとくに見落とされやすいと考えています。
よくある質問
h1は記事のなかでいくつ使ってよいですか
1ページに1つを基本にしてください。h1は記事のタイトルにあたる見出しで、多くのCMSやサイトのテンプレートが自動で出力します。本文のなかに書き手がh1を追加すると、どれが記事の主題なのか分かりにくくなります。ただしGoogleは見出しの数や順番に決まった正解はないと説明しており、複数あることが直ちに問題になるわけではありません。
見出しにキーワードを必ず入れるべきですか
入れること自体を目的にしないでください。読者がその内容を探すときに使う言葉であれば、意識しなくても自然に含まれます。Googleはスパムに関するポリシーで、同じ単語や語句を不自然なほど繰り返すことをキーワードの乱用の例として挙げています。
見出しを英語やアルファベットにしても問題ありませんか
日本語で読む読者に向けた記事であれば、日本語の見出しをおすすめします。「SERVICE」「ABOUT」のような英語の見出しは装飾としては成立しますが、その部分に何が書かれているかを言葉として伝えません。デザイン上どうしても英語を使いたい場合は、日本語の見出しを主にして、英語は補助的な表示にとどめる方法があります。
古い記事の見出しを直すと、これまでの評価が下がりませんか
見出しの文言を分かりやすく直すこと自体が評価を下げる要因になるという公式の説明は、2026年8月時点で確認できていません。ただし、見出しに割り当てられた目印(id)が変わると、その見出しへのページ内リンクが切れる場合があります。目次や外部からリンクされている記事では、変更前後の動作を確認してください。
