この記事の要点
- alt属性(画像の内容を文章で説明しておく設定)がない画像は、AIにとって何が写っているかを判断する手がかりが本文の周辺テキストしか残らず、内容が伝わりにくくなります。
- 生成AIの検索・回答機能が、ページを読み取る段階で画像そのものを見ているかどうかは、2026年8月時点で各社から詳細が公開されていません。alt属性やファイル名、周辺の文章による説明は、確認できている範囲で有効な手がかりです。
- 施工写真やスタッフ写真、料金表を画像で作っているページは、写っている内容を短い文章で言い添えるだけで、AIが参照できる情報量が変わります。
- 会社概要や料金の説明を画像内の文字だけで済ませているページは、機械にとっても、拡大表示や読み上げを使う訪問者にとっても読み取りにくい状態になっている場合があります。
画像の内容を伝えるとはどういうことか
alt属性とは、ページに載せた画像がどのような内容かを、文章で説明しておくためにHTMLへ書き加える設定のことです。画像を表示する仕組みの中に、目には見えない説明文を添えておくと考えてください。訪問者の画面には表示されず、画像が何らかの理由で表示できなかったときの代わりの文章として使われるほか、検索エンジンや読み上げソフトが画像の内容を把握する手がかりにもなります。
写真や図表そのものは、見た人には内容がすぐ伝わります。ところが機械にとっては、色のついた点の集まりでしかありません。ファイル名、周辺の文章、そしてalt属性に書かれた説明が、その画像が何を示しているかを判断する材料になります。この記事では、この3か所の整え方と、生成AIがどこまでこれを使っているのかという現状を順番に見ていきます。
生成AIは画像をどこまで理解しているか
ChatGPTやGeminiなどのチャット画面に画像を直接アップロードした場合、これらのAIは画像の内容を認識して説明や回答を返せます。一方で、検索や回答のためにWeb上のページを読み取る場面で、画像そのものを見ているのか、ページ内の文章だけを読んでいるのかは、2026年8月時点で各社から仕組みの詳細が公開されていません。
確認できている事実は2つあります。1つは、alt属性やファイル名、画像の近くにある文章が、画像の内容を伝える手がかりとして以前から使われてきたことです。Google検索セントラルは画像に関するSEOのベストプラクティスの中で、関連するテキストの近くに画像を配置するよう推奨しています。もう1つは、画像に何の説明も付いていない場合、周辺の文章以外に手がかりが残らないことです。
そのため、この記事で紹介する対応は「AIに画像そのものを見せる工夫」ではなく、「画像の内容を文章として確実に残しておく工夫」です。生成AIの画像認識の仕組みが今後どう変わっても、文章として書かれた説明が無駄になることはありません。
alt属性の書き方の基本
alt属性には、その画像に写っている内容を、見たままの言葉で短く書きます。Google検索セントラルは、関連するキーワードを自然に含めた、具体的でわかりやすい説明にすることを推奨しており、キーワードを詰め込みすぎる書き方には注意を促しています。
建設業や士業のサイトでよく使う画像に当てはめると、次のような違いになります。
| 状態 | alt属性の例 | 問題点・改善点 |
|---|---|---|
| 説明なし | (alt属性が空、または未設定) | 画像の内容を伝える手がかりが本文以外に残らない |
| 単語のみ | 施工事例 | 何の工事か、どんな状態かが伝わらない |
| 具体的な説明 | 戸建て住宅の外壁塗装工事、施工後の様子 | 写っている対象と工程が伝わる |
士業のサイトであれば「相談スペースの様子」よりも「税理士事務所の相談スペース、テーブルを挟んで対面で話せる配置」のように、対象と状態を具体的に書いたほうが、写真だけでは伝わらない情報を補えます。逆に、画像と関係のない社名やサービス名を並べる書き方は、Googleが注意しているキーワードの乱用にあたります。
ファイル名とキャプション、周辺の文章を整える
alt属性だけでなく、画像のファイル名と、画像の近くに置く文章も、内容を伝える手がかりになります。Google検索セントラルは、画像のファイル名について、自動採番された番号のままではなく、内容がわかる名前を付けるよう推奨しています。
- ファイル名は「gaiheki-tosou-sekou-go.jpg」のように、内容が英数字だけでも推測できる形にする。
- 画像の直前・直後に、写っている内容を説明する一文を本文として置く。キャプションがある場合は、alt属性と同じ文言の繰り返しにせず、補足情報を加える。
- 複数の画像を並べるときは、それぞれのalt属性を同じ文言にしない。何が違うのかが伝わるように書き分ける。
ファイル名やキャプションを整える作業は、alt属性を書くことよりも後回しにされがちです。alt属性は画面上に表示されないため、サイトを作った担当者以外は書いてあるかどうかに気づきにくいという事情もあります。ファイル名と本文中の説明は見た目にも残る部分なので、担当者が入れ替わった後でも確認しやすいところから手を付けるという考え方もできます。
画像の中に文字を入れてしまっているケースの見分け方
会社概要の表や料金の一覧を、文字ではなく1枚の画像として作っているページは、機械にとって内容がほぼ読み取れない状態になっています。画像の中の文字は、alt属性で全文を書き写さないかぎり、検索エンジンにも生成AIにも文章として認識されません。
ウェブアクセシビリティに関する国際的なガイドラインでは、文章で表現できる内容を画像化した文字に置き換えることについて、拡大表示や配色変更に対応できない、読み上げソフトで読み上げられないといった問題があるとされています。視覚に障害のある訪問者への配慮として整理された基準ですが、機械が文章として読み取れないという点では、AI検索対策にもそのまま当てはまります。
見分け方は難しくありません。ページ内の文字をマウスでドラッグして選択できるかどうかを確認してください。選択できない文字は、画像の中に埋め込まれた文字である可能性が高いです。会社概要の代表者名や設立年、料金表の金額など、AIに正確に伝えたい数字や固有名詞ほど、文章として本文に書いておく価値があります。
中小企業・士業・建設業の現場でよくある画像とチェックリスト
業種によって使う画像の種類は異なりますが、確認しておきたい点はおおむね共通しています。次のような画像を掲載している場合は、それぞれの内容を見直してみてください。
- 施工事例・作業風景の写真:工事の種類、施工前後の違い、対応した地域が伝わる説明になっているか。
- 代表者・スタッフの写真:役職や資格、担当業務が本文またはalt属性に書かれているか。写真だけでは資格の有無まではAIに伝わりません。
- 料金表・比較表を画像で作っている場合:同じ内容を本文中にも表(table)として書いてあるか。画像は補足として残し、金額や条件は文章側を正としておく。
- 地図・アクセス画像:住所や最寄り駅は、画像内の文字だけでなく本文にも記載してあるか。
- 資格証・認定マークの画像:資格の正式名称が本文またはalt属性に書かれているか。マークの見た目だけでは名称までは伝わりません。
すべての画像に長い説明を付ける必要はありません。装飾目的のアイコンや背景画像まで無理に説明を書き足すと、かえって重要な画像の説明が埋もれてしまいます。判断や信頼に関わる情報が写っている画像から優先して整えるという順番が現実的です。
メリットと注意点
期待できること
alt属性やファイル名、周辺の文章を整えると、画像に写っている内容が本文の一部として読み取れる状態になります。視覚に障害のある訪問者への配慮であると同時に、画像を直接見ているかどうかにかかわらず、生成AIにとっても内容を把握しやすいページになります。すでに撮影済みの写真を使う作業なので、新しい撮影や制作を追加しなくても着手できる点は、中小企業にとって取り組みやすい理由です。
注意点・限界
alt属性を整えても、検索結果への表示順位や、生成AIの回答に取り上げられることを保証するものではありません。生成AI各社が画像の情報をどの程度、どのような場面で利用しているかは公開されていないため、効果を数値で示すことはできません。alt属性にキーワードを詰め込みすぎると、Googleが注意しているスパム的な扱いに該当するおそれもあります。説明は写っている内容に忠実であることを優先してください。
まとめ
画像そのものをAIがどこまで見ているかは、2026年8月時点でも公開されていない部分が多く残っています。断定できない以上、サイトモは、画像の内容を文章として残しておく作業を優先すべきだと考えています。alt属性、ファイル名、周辺の文章という3か所は、いずれも今日から手を付けられる範囲です。
まずは、会社概要や料金など判断に関わる内容を画像だけで表現している箇所がないかを確認してください。次に、施工写真やスタッフ写真のalt属性が空のままになっていないかを見直す。この2点だけでも、機械にとっての読み取りやすさは変わります。
よくある質問
alt属性を書いていない画像がたくさんあります。すべて直す必要がありますか
すべてを一度に直す必要はありません。会社概要・料金・資格・実績など、読者の判断に関わる内容が写っている画像から優先してください。装飾目的のアイコンや背景画像は、後回しにしても大きな支障はありません。
alt属性を書けば、ChatGPTなどに画像が引用されやすくなりますか
そのような保証はありません。生成AIが画像の情報をどのように取り扱っているかは、2026年8月時点で各社から詳細が公開されていないため、alt属性の記述と生成AIでの引用結果を直接結びつけることはできません。alt属性は、内容を文章として残しておくための基本的な対応として位置づけています。
写真にキャッチコピーの文字を入れたデザインは避けるべきですか
装飾的な短い文字であれば、そのこと自体を問題視する必要はありません。ただし、会社概要の表や料金の金額など、正確に伝えるべき情報を画像内の文字だけで済ませている場合は、同じ内容を本文の文章としても書いておくことをおすすめします。
alt属性には何文字くらい書けばよいですか
文字数の基準は公式には示されていません。画像に写っている内容を、見たままの言葉で簡潔に説明できる長さで十分です。関係のない単語を並べて長くする必要はありません。
