この記事の要点

  • Googleは2026年5月7日から、よくある質問の構造化データを使った検索結果の特別な表示を取りやめました。関連するドキュメントも2026年6月15日に削除されています。
  • Googleは2023年8月の告知で「使われていない構造化データが検索に問題を起こすことはない」と説明しており、あわてて削除する作業は必要ありません。
  • 検索結果の見た目を目的に後から付け足したページは構造化データを外してよく、質問と回答の中身そのものに価値があるページは残す。これがサイトモの判断基準です。
  • 生成AIが構造化データをどこまで読み取っているかは、各社とも公開していません。構造化データの有無よりも、本文に質問と回答が読める形で書かれているかを先に確認します。

構造化データとは何か

構造化データとは、ページに書かれている内容が何を意味するのかを、機械が読み取れる決まった形式で補足する情報のことです。人間が読む本文とは別に、ページの裏側に「この部分は質問文」「この日付は更新日」といった説明を添えておく仕組みだと考えてください。

Googleは構造化データについて、ページの意味を明示的に伝える手がかりであり、検索エンジンがページの内容を理解する助けになると説明しています(Google検索セントラル「構造化データ マークアップとは」)。つまり、本文を書き換えるものではなく、本文の意味を機械向けに言い直すものです。

書き方はいくつかありますが、現在の主流はページ内に専用の記述ブロックを1つ置く方式です。見た目には何も変わりません。ソースコードを見ないかぎり、訪問者が構造化データの存在に気づくことはありません。

この構造化データには用途ごとに種類があります。よくある質問を示すもの、手順を示すもの、記事であることを示すもの、階層内での位置を示すもの、用語の定義を示すもの。今回の話は、このうち「よくある質問の構造化データ」の扱いが2026年に変わった、という内容です。

Googleの「よくある質問」表示は2026年5月に終わりました

2026年5月7日以降、よくある質問の構造化データを設置しても、Google検索の結果画面に質問と回答が折りたたみ形式で並ぶ表示は出なくなりました。Googleは2026年5月8日にドキュメントへ廃止の注記を追加し、2026年6月15日には該当ドキュメント自体を削除しています(Google検索セントラル「ドキュメントの更新履歴」)。検索順位の変更ではなく、検索結果の見せ方の変更です。

この流れは2026年に突然始まったものではありません。Googleは2023年8月8日のブログで、検索結果を簡潔で一貫したものにするため、よくある質問の特別な表示を政府機関や医療機関など権威のあるサイトに限定すると告知しました。同じ告知で手順の構造化データの表示はパソコン向けのみに縮小され、2023年9月13日にはパソコンでも表示が終了しています。

検索結果の特別な表示(リッチリザルト)を目的に構造化データを設置していた場合、2026年8月時点で残っているものと終わったものを整理すると次のようになります。

構造化データの種類 Google検索での特別な表示 2026年8月時点の状況
よくある質問(FAQPage) 終了 2026年5月7日から表示されない
手順(HowTo) 終了 2023年9月13日にパソコンでも終了
記事(Article) あり Googleがサポートする機能として継続
パンくずリスト(BreadcrumbList) あり Googleがサポートする機能として継続
用語の定義(DefinedTerm) もともとなし schema.orgの語彙にはあるが特別な表示の対象外

表で注意していただきたいのは、いちばん下の行です。用語の定義の構造化データは、以前からGoogleの特別な表示の対象ではありません。「表示されない構造化データには意味がない」という前提に立つと、この種類のものは最初から不要だったことになります。その前提が本当に正しいのかを、次の項で考えます。

生成AIから見たとき、構造化データはどう働くのか

生成AIが構造化データをどの程度読み取り、回答の生成に使っているかは、2026年8月時点でChatGPT・Gemini・Claudeのいずれの提供元からも公開されていません。したがって「構造化データを設置すればAIに引用されやすくなる」とは言えません。ここは推測と事実を分けて扱う必要があります。

確かなことは2つあります。1つは、構造化データがもともと「ページの意味を機械に伝える」ために作られた仕組みであること。もう1つは、生成AIが回答を作るときに読んでいるのは、多くの場合ページのHTMLそのものであることです。この2点から、これが読み取り側にとって無意味であると断定することもできません。

ただし、順番を間違えないことが大切だとサイトモは考えています。本文に質問と回答が書かれていないページに構造化データだけを設置しても、そこには伝えるべき中身がありません。これは本文の意味を言い直すものであって、本文の代わりにはならないからです。

サイトモの考え方

構造化データは、AI検索対策の中では優先度の高い施策ではありません。まず本文に、読者が実際に口にする質問文と、その場で答えきる回答を書く。これはそのあとに付ける補助線だと位置づけています。

逆に言えば、本文が整っているページであれば、構造化データを設置する手間はごくわずかです。効果が保証されないからやらない、という判断はしていません。

構造化データを外すべきか、残すべきか

結論として、多くのサイトでは構造化データを残したままで問題ありません。Googleは2023年8月の告知の中で、この構造化データを削除してもかまわないが、あえて先回りして削除する必要はない、使われていない構造化データが検索に問題を起こすことはない、と明言しています。ペナルティの類ではない、という点はおさえておいてください。

そのうえで、外すことを検討したほうがよいページもあります。判断の分かれ目は、そのページの質問と回答が何のために置かれたかです。

  • 検索結果に質問と回答を並べて表示させることが主な目的で、本文の流れとは関係なく末尾に質問を付け足したページ。表示が終わった以上、構造化データも本文の質問欄も見直す対象になります。
  • 本文には質問が1件しか書かれていないのに、構造化データの中では5件を記載しているページ。表示されている内容と構造化データの内容が食い違っている状態は、表示の有無にかかわらず直しておく必要があります。
  • 質問文が「〇〇のメリットは?」のように検索語を詰め込んだだけで、読者が実際に抱く疑問になっていないページ。

逆に、料金の条件、対応できる範囲、契約前によく聞かれる不安といった、読者が判断するために必要な情報が質問と回答の形で書かれているページは、構造化データを残す価値があるとサイトモは考えています。この場合、これは表示のためではなく、内容の説明として機能しているためです。

作業としては、まず本文の質問欄そのものを読み返すことをおすすめします。構造化データを消すか残すかは、そのあとで決めても遅くありません。

サイトモが残している構造化データと、その理由

サイトモは自社サイトで、よくある質問の構造化データを削除せず、そのまま残しています。削除すると決めた場合の作業量は小さいのですが、削除する理由が見つからなかった、というのが実際のところです。

サイトモのサイトでは、よくある質問ページ、料金ページ、AIO解説ページ、制作実績ページ、業種別ページなどに、よくある質問の構造化データを設置しています。いずれも、ページ上に実際に表示されている質問と回答をそのまま記述したものです。ご利用の流れのページには手順の構造化データを、AIO解説ページには用語の定義の構造化データを置いています。手順のものは2023年に特別な表示が終わっており、用語のものはもともと表示の対象外です。

記述はページごとに1ブロックで、次のような形です。

{
  "@context": "https://schema.org",
  "@type": "FAQPage",
  "mainEntity": [
    {
      "@type": "Question",
      "name": "初期費用はかかりますか?",
      "acceptedAnswer": {
        "@type": "Answer",
        "text": "初期費用は0円です。月額料金のみでご利用いただけます。"
      }
    }
  ]
}

ここで守っているのは、構造化データの中の質問文と回答文を、ページ本文の文言と完全に一致させることです。本文を直したときにそちらだけ古いまま残ると、機械が読み取る内容と人が読む内容がずれます。サイトモでは本文の質問データと構造化データの記述元を同じ場所にまとめ、片方だけが古くなる状態を防いでいます。

あわせて、サイトのトップにllms.txtを公開し、どのページに何が書かれているかを文章で説明しています。構造化データが読み取られるかどうかに関係なく、内容そのものを伝える経路を用意しておく、という考え方です。

残す場合に守りたい条件

構造化データを残すのであれば、ページに実際に表示されている内容だけを記述する、という原則を守ってください。Googleは構造化データのガイドラインで、ユーザーに見えない情報を記述しないよう求めています。表示が終わったからといって、この原則が緩むわけではありません。

  1. 本文に表示されている質問と回答だけを構造化データに記述する。本文にない質問をそちらだけに追加しない。
  2. 本文の文言を修正したら、構造化データの記述も同時に直す。更新のタイミングをずらさない。
  3. 質問文は、読者が実際に検索窓や生成AIに打ち込む言い回しに近づける。社内用語で書かない。
  4. 回答は、その質問だけを読んだ人にも意味が通るように書く。「上記のとおりです」といった書き方をしない。
  5. 数を増やすことを目的にしない。答えるべき疑問がなければ、質問欄そのものを置かない。

3番目と4番目は、生成AIの回答に内容が使われる場面を想定した項目です。生成AIは質問と回答をページ全体の文脈から切り離して扱うことがあります。1問1答が単独で成立していれば、切り出されても意味が崩れません。これは構造化データの話というより、本文の書き方の話です。

まとめ

Googleのよくある質問の特別な表示は2026年5月7日に終わりました。ただし、終わったのは検索結果での見せ方であって、質問と回答という情報の形が不要になったわけではありません。Googleも、先回りして削除する必要はないと述べています。

いま確認していただきたいのは、構造化データの有無ではなく、自社サイトの質問欄が読者の疑問に答えているかどうかです。表示狙いで付け足した質問が並んでいるなら、質問そのものを入れ替える。判断に必要な情報が書けているなら、これはそのまま残す。この順番で見直すのが現実的です。

そのうえで、Googleの仕様は今後も変わります。2023年と2026年の2回の変更が示しているのは、表示形式を前提にした施策は寿命が短い、ということです。表示に左右されない部分、つまり本文の中身に手を入れておくほうが、結果として長く効くとサイトモは考えています。

よくある質問

すでに設置してある構造化データは、削除する作業が必要ですか

削除する必要はありません。Googleは2023年8月の告知で、この構造化データを削除してもよいが先回りして削除する必要はなく、使われていない構造化データが検索に問題を起こすことはない、と説明しています。ただし、本文に表示されていない質問を構造化データだけに書いている場合は、表示の有無に関係なく修正してください。

表示されないなら、これから新しく設置する意味はありますか

Google検索の見た目を変える効果は、2026年8月時点でありません。設置の判断は、ページの意味を機械に伝えておく価値をどう見るかによります。生成AIがこの構造化データをどこまで読み取っているかは各社とも公開していないため、効果を前提にした説明はできません。サイトモは、本文が整っていれば設置の手間が小さいことを理由に、設置する方針をとっています。

ページからよくある質問の欄そのものを消したほうがよいですか

読者が実際に疑問に思う内容であれば、残してください。料金の条件、対応範囲、契約前の不安といった項目は、検索結果に表示されるかどうかとは別に、訪問者が判断するために必要な情報です。消す候補になるのは、検索結果での表示だけを狙って本文の流れと関係なく付け足した質問です。

手順の構造化データや、記事であることを示す構造化データはどうなりますか

手順の構造化データによる特別な表示は、2023年9月13日にパソコンでも終了しています。一方、記事であることを示す構造化データとパンくずリストの構造化データは、2026年8月時点でGoogleがサポートする機能の一覧に掲載されています。種類ごとに扱いが異なるため、まとめて判断せず、公式の一覧で個別に確認することをおすすめします。

参考情報