この記事の要点

  • E-E-A-Tは、経験・専門性・権威性・信頼性という4つの観点で情報の質をとらえる考え方で、Googleの検索品質評価ガイドラインに由来します。
  • Googleは公式ドキュメントで、E-E-A-T自体はランキングに直接影響する要因ではないと明記しています。点数を稼ぐための項目ではありません。
  • 4つのうち中心にあるのは信頼性で、残りの3つは信頼性を裏づけるための材料という関係にあります。
  • 中小企業のサイトでやることは地味です。誰が書いたかを示し、実際にやっていることを具体的に書き、外から照合できる形にする。ほぼこれに尽きます。
  • 生成AIの回答に取り上げられるために特別なファイルやマークアップが必要だとGoogleは述べていません。まず中身の信頼性を整えるのが土台になります。

E-E-A-Tとは何か

E-E-A-T(イーイーエーティー)は、Experience(経験)、Expertise(専門性)、Authoritativeness(権威性)、Trustworthiness(信頼性)の頭文字を並べた言葉です。Googleが検索結果の品質を人の目で確かめるために用意している「検索品質評価ガイドライン」に登場する考え方で、そのページや書き手が信用に足るかどうかを見るときの観点をまとめたものです。

もともとは経験を除いた3つで、E-A-Tと呼ばれていました。2022年12月にGoogleが最初のE、つまり経験を加えて現在の4つになっています。ここでいう経験とは、実際にその商品を使った、その現場に行った、その業務を自分で担当した、といった一次的な体験のことです。専門家ではない人が書いた体験談のほうが役に立つ場面もある、という発想が背景にあります。

特に厳しく見られるのは、健康や安全、お金、社会的な意思決定など、人生に大きく影響するテーマです。Googleはこの領域を「Your Money or Your Life」(頭文字を取ってYMYLとも呼ばれます)と位置づけ、こうしたテーマでは信頼性の高いコンテンツをとりわけ重視すると説明しています。士業や医療、住宅のように、判断を誤ると相手の生活に響く業種は、この線引きの内側に入りやすい領域です。

4つのうち信頼性が中心にあります

4つを横並びにして、それぞれ点数を上げていく。そう理解している方が多いのですが、実態とは少しずれています。Googleの公式ドキュメントは「信頼性は最も重要なものです」と述べたうえで、他の項目は信頼性の一因となるものだと説明しています。経験も専門性も権威性も、最終的には「この情報は信用できるのか」を支えるための材料という位置づけです。

もうひとつ押さえておきたいのが、E-E-A-Tは検索順位を決める仕組みそのものではない、という点です。Googleは同じドキュメントで、E-E-A-T自体はランキングに直接影響する要因ではないとはっきり書いています。どこかに設定項目があって、埋めれば順位が上がるという話ではありません。

検索品質評価ガイドラインは、そもそも人間の評価者が検索結果の良し悪しを判定するための手引きです。その判定結果は、Googleが自社の仕組みを改善していくための材料として使われます。つまりE-E-A-Tは、達成すべきノルマというより、目指すべき状態を言葉にしたものと考えたほうが実態に近いはずです。

生成AI検索の時代に、なぜあらためて問われるのか

ChatGPTやPerplexity、GoogleのAIによる概要のように、検索結果を一覧で見せるのではなく、要約した答えを返す仕組みが一般的になりました。この形式では、利用者が10件のページを比べて自分で判断する機会が減ります。かわりに、どの情報源を使うかという選別がAI側で先に行われます。選ばれる側に回るには、書かれている内容が確認できる状態になっている必要があります。

ここで先回りして、専用ファイルを置けば有利になるのではないかと考えたくなります。ところがGoogleは、AI機能に表示されるための追加要件はないとしたうえで、「新たにコンピュータが解読可能なファイルやAIテキストファイル、マークアップを作成する必要はありません」と明言しています。特別なschema.orgの構造化データも不要だとしています。

裏を返せば、近道は用意されていないということです。誰が、何を根拠に、いつ時点の情報として書いているのか。この3点が読み取れるかどうかが、人にとってもAIにとっても判断材料になります。E-E-A-Tが再び話題になっているのは、目新しいからではなく、迂回路がないことがはっきりしてきたからだと考えています。

4つの要素を、自社サイトの作業に置き換える

用語のままでは手が動きません。それぞれを、実際にサイト上で何をするかという言葉に翻訳してみます。よくある受け取り方と並べると、ずれている部分が見えてきます。

要素 ありがちな受け取り方 実際にやること
経験 お客様の声を並べる 自社が実際に担当した工程、その場で迷ったことと決めた理由を具体的に書く
専門性 資格名を列挙する 書いた人を明示し、その人が何を担当しているか、何を根拠にそう言えるかを添える
権威性 外部リンクを増やす 会社概要・所在地・連絡先・許認可や登録番号など、外部から照合できる情報を整える
信頼性 「安心」「丁寧」と書く 料金、対応範囲、対応できないことまで書く。更新日を示し、古い記述を放置しない

左の列に心当たりがあっても、それ自体が悪いわけではありません。ただ、どれも「こちらが主張している」だけで止まっています。右の列は、読んだ人が事実かどうかを外側から確かめられる形になっています。この違いが、信頼性という言葉の中身です。

サイトモのサイトで実際に行っている実装

抽象論だけでは伝わりにくいので、サイトモが自社サイトで実際に動かしている仕組みを挙げます。いずれも公開されているURL上で確認できるものです。

まず、ページの内容を機械が読み取れる形式で併記する構造化データ(JSON-LD)を実装しています。記事、よくある質問、手順、用語定義、運営者情報、一覧、パンくず、ページ種別といった種類を、ページの性格に応じて出し分けています。見た目には現れませんが、そのページが何について書かれたものかを、書き手の側から明示しておくための記述です。

更新日については、Gitのコミット日付から自動で生成する仕組みにしました。手作業で更新日を書き換えると、中身を直していないのに日付だけ新しくなる、という状態が起こりえます。実際にファイルを変更した記録と日付を連動させておけば、そのずれが構造的に起きません。信頼性を保つうえで、地味ですが効いている部分です。

記事ページでは目次を自動生成し、見出しに連番を振っています。長い記事のどこに何が書いてあるかが一覧で分かる状態は、人が読むときにも、機械が構造を把握するときにも同じように働きます。あわせて、AIのクローラーについてはrobots.txtで個別に許可を明示しました。GPTBotやClaudeBot、PerplexityBotなど、事業者ごとに名前を挙げて記述しています。読み取ってよいという意思を、こちらから曖昧にせず示しておくためです。

llms.txtとllms-full.txtも公開しています。ただしこれは注意して書いておく必要があります。前述のとおりGoogleは、こうしたAI向けのテキストファイルは表示のために必要ないと明言しています。サイトモが置いているのは、サイトの全体像を1か所にまとめておくこと自体に整理上の意味があると判断したからで、これを置けば引用されるという性質のものではありません。

料金についても同じ考え方です。サイトモは月額制で初期費用0円、全国対応、制作と運用を一括で請け負う体制を取っていますが、この条件をページ上に書いてあること自体が信頼性の一部だと考えています。問い合わせないと金額が分からないサイトは、その時点で読み手に確認の手間を押しつけています。

取り組むと、何が変わるのか

順位やアクセス数がどう動くかは、Googleの仕組みが公開されていない以上、誰にも約束できません。約束する業者がいたら、その時点で疑ったほうがいいと思います。ただ、E-E-A-Tを軸にサイトを整理すると、成果とは別のところで確実に変わることがあります。

ひとつは、社内に判断の基準ができることです。この記述は外から確かめられるか、という問いが一本通っていると、原稿を書くときも料金表を直すときも迷いが減ります。もうひとつは、問い合わせの段階での食い違いが減ることです。できないことまで書いてあるサイトからの問い合わせは、前提が揃った状態で始まります。

そして、人向けに整えた情報と、AIに読み取られる情報が同じものになります。片方だけを飾る作業が要らなくなるという意味で、長い目で見ると手間はむしろ減っていきます。

取り組むときに注意したいこと

いちばん多い失敗は、E-E-A-Tをチェックリストとして扱ってしまうことです。運営者情報を置いた、著者名を入れた、構造化データを実装した。項目を埋めること自体が目的になると、中身が伴わないまま形式だけが整った状態になります。評価しているのは最終的に読み手ですから、形式が先行しても意味がありません。

実績や数値を大きく見せたくなる誘惑にも注意が必要です。確かめられない数字は、確かめようとした人にとって減点材料になります。書けるものが少ないなら少ないまま、事実だけを書くほうが結果的に信用されます。

生成AIに原稿を書かせること自体は問題ありませんが、そのまま公開すると経験の部分がまるごと抜け落ちます。AIは、あなたの会社が現場で何に困ったかを知りません。最後に自分の言葉を足す工程は、省いてはいけないところだと考えています。

更新日の扱いも同様です。日付だけ新しくして中身を変えないのは、信頼性を高めるどころか損なう行為になります。

まとめ

E-E-A-Tは、経験・専門性・権威性・信頼性の4つで情報の質をとらえる考え方です。中心にあるのは信頼性で、他の3つはそれを支える材料にあたります。そしてGoogle自身が、これは直接のランキング要因ではないと述べています。

やることは派手ではありません。誰が書いたかを示す、実際にやっていることを具体的に書く、外から照合できる情報を置く、古い記述を残さない。生成AIが答えを返す時代になっても、この土台が変わる気配は今のところありません。2026年8月時点では、近道を探すより、確かめられる状態を積み上げるほうが確実だと考えています。

よくある質問

E-E-A-Tを高めれば検索順位は上がりますか

上がると断言はできません。Googleは、E-E-A-T自体はランキングに直接影響する要因ではないと公式に説明しています。一方で、E-E-A-Tが優れたコンテンツを識別するための要素の組み合わせは使っているとも述べています。順位のためのスイッチではなく、目指す状態を示した指標と受け止めるのが適切です。

実績が少ない小さな会社でも満たせますか

満たせます。E-E-A-Tは会社の規模を測るものではありません。所在地や連絡先を明示する、料金と対応範囲を書く、担当者が誰か分かるようにする。こうした基本の情報整備は、規模に関係なく今日から着手できます。実績が少ないことを隠すほうが、かえって不利に働きます。

構造化データを入れればE-E-A-Tは上がりますか

それだけでは上がりません。構造化データは、ページに書かれている内容を機械が読みやすい形で併記する仕組みです。書かれていない信頼性を作り出すものではありません。実際、GoogleはAI機能に表示されるために特別な構造化データを追加する必要はないとしています。まず本文を整え、その内容と一致する形で記述するのが本来の順番です。

llms.txtは用意すべきですか

必須ではありません。Googleは、AI機能での表示のためにこうしたファイルを新たに作る必要はないと明言しています。サイトモは自社サイトに置いていますが、それは全体像を1か所に整理しておく意味があると判断したためで、置けば引用されるという性質のものではない点は分けて考える必要があります。

記事は生成AIに書かせてもよいですか

下書きに使うのは問題ありません。ただし、そのまま公開すると経験にあたる部分が抜けます。自社が実際に担当した事例、現場で判断に迷った点、お客様から実際に受けた質問。この種の情報はAIには書けません。書けない部分を人が足す前提で使うのが現実的です。

参考情報